『舌の痛み』 舌痛(ぜっつう)症
舌に明らかな異常がないにもかかわらず、痛みや灼熱(しゃくねつ)感などがある症状を舌痛(ぜっつう)症といいます。
東京医科歯科大学病院(東京都文京区)歯科心身医療科の豊福明科長によると、口の中の病気を診る口腔(こうくう)外科に通う患者の1~2割に見られ、中高年の女性が多いといわれています。
- 原因
原因は明らかではない。可能性として「脳が痛みに敏感にな状態になっている」
痛みを感じる回路、痛みのことばかり考えてしまう回路のどちらかが関わっている可能性や、互いに影響し合うことが考えられるという。
- 症状
舌の先端や側面の痛み、ひりひり、ぴりぴりした灼熱感やしびれなどです。
患者の6割は口の乾きや、苦味や渋味を感じるような味覚異常を伴います。
- 特徴
舌痛症は、歯科治療をきっかけに発症することが多くみられます。
タイプとして、きちょうめんな人、頑張り過ぎる人、頭や腰など他の部位に痛みがある人は発症リスクが高い傾向にあります。
朝は調子が良く、午後に症状が悪化することが多い。
良くなったり悪くなったりを繰り返す。
自然に治るケースも5年間で3%程度はあるが、治りは悪い。
- 治療法
うがい薬や軟こうなどは効果がなく、心理療法と薬物療法が主体となります。
心理療法では「生活リズム等、寝不足や疲労がたまっていないか時間をかけて話を聞きます。」
薬物療法では抗うつ薬を用います。「少量から始めて少しずつ増やしていくと、症状が改善し始めることが多く、
改善した状態が4~6カ月ほど続いたら、徐々に薬の量を減らしていきます」
こうした治療で良くならず、心理的因子の影響がより大きいと判断すれば、精神科医師に相談するよう提案することもあるという。
重要なのは「治療のゴール」
▽全く症状がない
▽服薬を続けていれば症状がない
▽症状が少し残るが、日常生活に支障はない
のどこを目指すかを話し合いをしながら決めていくことが大切です。
そして、
- 頑張り過ぎない
- 何でも一気に完璧を目指さない
- 一歩手前で休むことや、あすに延ばすことができるなら延ばす
等、肩の力を抜いて少し楽な視点で物事を考てみてはいかがでしょうか?と豊福明科長はアドバイスをされています。
(メディカルトリビューン=時事)より