肩の痛みをともなう病気まとめ
肩の痛みを伴う病気は多岐にわたります。以下は、肩の痛みを引き起こす主な疾患のまとめです。
五十肩(肩関節周囲炎)
症状: 肩の痛みと可動域の制限。特に腕を上げたり、後ろに回したりする動作で痛みが強くなる。
原因: 肩関節周囲の組織(筋肉、腱、靭帯)の炎症。
治療: 物理療法、ストレッチ、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)、コルチコステロイド注射。
変形性肩関節症(肩関節の変形性関節症)
症状: 肩の痛み、こわばり、関節の音(クリック音、グリグリ音)、可動域の制限。
原因: 肩関節の軟骨が摩耗し、骨が直接擦れ合うことで炎症が生じる。
治療: 物理療法、薬物療法(NSAIDs、鎮痛薬)、関節注射、重症例では手術(肩関節置換術)。
腱板断裂(ローテーターカフの断裂)
症状: 肩の痛み、特に夜間や特定の動作で増強。腕を上げたり回したりする動作での弱さや痛み。
原因: 腱板(ローテーターカフ)という肩の筋肉と腱が損傷または断裂すること。
治療: 物理療法、薬物療法(NSAIDs、鎮痛薬)、手術(腱板修復術)。
肩の腱炎(腱鞘炎)
症状: 肩の痛みとこわばり、特に動作開始時に痛みが強い。
原因: 肩の腱が炎症を起こし、腱鞘(腱を包む鞘)が腫れること。
治療: 休息、物理療法、NSAIDs、コルチコステロイド注射。
石灰沈着性腱板炎
症状: 肩の激しい痛み、腫れ、可動域の制限。
原因: 腱板にカルシウムが沈着し、急性の炎症を引き起こすこと。
治療: NSAIDs、コルチコステロイド注射、超音波ガイド下でのカルシウム除去、手術。
関節リウマチ(RA)
症状: 肩の痛み、こわばり、腫れ、左右対称の関節炎。
原因: 自己免疫疾患で、免疫系が誤って関節の組織を攻撃する。
治療: DMARDs(疾患修飾性抗リウマチ薬)、生物学的製剤、NSAIDs、コルチコステロイド。
肩峰下滑液包炎
症状: 肩の痛みと腫れ、特に腕を上げる動作で痛みが強い。
原因: 肩峰下の滑液包(バース)が炎症を起こすこと。
治療: 休息、物理療法、NSAIDs、コルチコステロイド注射。
冷凍肩(拘縮性肩関節炎)
症状: 肩の痛みと極度の可動域制限。
原因: 肩関節包が硬くなり、収縮すること。
治療: 物理療法、NSAIDs、コルチコステロイド注射、手術(関節鏡下手術)。
これらの疾患は、適切な診断と治療を受けることで症状の改善が期待できます。
肩の痛みが続く場合や症状が重い場合は、医師の診察を受けることが重要です。