子供の虫歯菌はどこから来るの?①
●虫歯菌が感染する時期
虫歯の原因である虫歯菌(ミュータンス菌)は、生まれたばかりの赤ちゃんの口の中にはいません。
虫歯菌は歯のように硬いところに住み着くので、歯が生えていない歯ぐきだけのお口の中には住み着きにくいのです
歯が生え始める生後6ヶ月頃から感染が始まります。
特に1歳7ヶ月から、2歳7ヶ月までの時期に最も感染しやすく、定着もしやすいです。
この時期は「感染の窓」と呼ばれ、注意が必要とされています。
奥歯の乳歯が生え始めると、虫歯菌の感染率が高まると言われています。
感染率が高まる理由は、
(1)歯の本数の増加により虫歯菌の住み家が増えたこと
(2)砂糖(お菓子)の摂取する機会が増えてきたこと
(3)他の菌がまだ少ないこと(他の菌が定着していると、後から来た虫歯菌は住み着きにくいからです)
これらが原因と考えられています。
虫歯菌の感染の時期が早いほど、その後に虫歯になりやすい傾向にあります。
2歳前に感染した子供のほうが、2歳以降に感染した子供よりも虫歯が多い傾向にあります。
スウェーデン・イエテボリ大学(世界で最も有名な歯科大学の一つ)での研究では、
2歳までに虫歯菌の感染がなかった子供が4歳になったときの虫歯の本数はわずか0.3本でした。
一方で、2歳までに虫歯菌の感染があった子供が4歳になったときには、虫歯の本数は5本もありました。
虫歯の本数に16倍もの差ができました。
2歳での虫歯菌の感染の有無による4歳時の虫歯の本数
明らかに虫歯菌に感染する時期が遅い子の方が、虫歯リスクが低いです。