オーラルフレイルについて
オーラルフレイルとは、口の機能が低下し、全身の健康状態にも影響を及ぼす状態を指します。
具体的には、歯を失ったり、歯周病が進行したり、口腔内の乾燥が進んだりすることで、食事がしにくくなり、栄養不足や低栄養につながる可能性があります。
オーラルフレイルの概念図 (健康長寿ネット)
オーラルフレイルが進むとどうなるの?
オーラルフレイルが進むと、以下のような問題が生じる可能性があります。
- 食事の楽しさや栄養摂取の低下: 歯がなくなったり、噛む力が弱くなったりすることで、好きな食べ物が食べられなくなり、栄養バランスが崩れてしまうことがあります。
- 誤嚥のリスク増加: 噛み砕く力が弱くなったり、飲み込む力が低下したりすることで、誤嚥(ごえん)を起こしやすくなります。誤嚥は肺炎などの原因となるため、注意が必要です。
- 全身の機能低下: 口腔内の細菌が血液中に侵入し、心疾患や糖尿病などの全身疾患を悪化させる可能性があります。
- 孤立感やQOLの低下: 食事が楽しめなくなると、人との交流が減り、孤独感やQOL(生活の質)の低下につながる可能性があります。
オーラルフレイルの原因は?
オーラルフレイルの原因は、加齢以外にも様々な要因が考えられます。
- 歯周病: 歯周病は、歯を支えている歯周組織が破壊される病気です。歯周病が進行すると、歯が抜けやすくなり、口腔機能が低下します。
- むし歯: むし歯は、歯が酸によって溶けて穴があく病気です。むし歯が進行すると、歯が痛み、食事がしにくくなります。
- 口腔乾燥症: 口腔乾燥症は、唾液の分泌量が減ることで、口の中が乾燥する病気です。口腔乾燥症になると、むし歯や歯周病になりやすくなり、口腔機能が低下します。
- 入れ歯の不適合: 入れ歯が合わないと、食事がしにくくなり、口腔機能が低下します。
- 病気: 糖尿病、パーキンソン病、うつ病などの病気も、オーラルフレイルのリスクを高めることがあります。
オーラルフレイルの予防と改善
オーラルフレイルの予防と改善には、以下のことが大切です。
- 定期的な歯科検診: 定期的に歯科医院を受診し、歯周病やむし歯などを早期に発見し、治療することが大切です。
- 正しい歯磨き: 歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロスなどを使って、歯と歯の間や歯と歯肉の境目をしっかり磨きましょう。
- 口腔ケア: 口腔乾燥症の場合は、人工唾液や口腔ケア製品を使用しましょう。
- バランスの取れた食事: カルシウムやビタミンDを多く含む食品を積極的に摂りましょう。
- 規則正しい生活: 十分な睡眠をとり、ストレスを溜めないようにしましょう。
オーラルフレイルは、早期に発見し、適切なケアを行うことで、進行を遅らせることができます。
ご自身の口腔内の状態が気になる方は、歯科医院にご相談ください。