ランパントカリエス(哺乳瓶う蝕)について
ランパントカリエスとは?
ランパントカリエス、(哺乳瓶う蝕)とは、複数の歯に急速に虫歯が広がり、進行する状態を指します。
特に乳歯期の子どもに見られやすく、放置すると歯の喪失や全身の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
なぜ「哺乳瓶う蝕」と呼ばれるの?
かつては、寝かしつけのために長時間哺乳瓶を与え続ける習慣が原因で、上の前歯を中心に虫歯が広がるケースが多かったため、「哺乳瓶う蝕」と呼ばれていました。
しかし、現在では、哺乳瓶だけでなく、おしゃぶりやジュースを頻繁に与えることなど、様々な原因が考えられています。
原因
ランパントカリエスの主な原因としては、以下のものが挙げられます。
- 糖分を頻繁に長時間口腔内に滞留させること:
- 哺乳瓶やマグカップで甘い飲み物を長時間飲ませる
- お菓子を頻繁に与える
- 食後の歯磨きをしない
- 口腔衛生の不十分さ:
- 歯磨きが不十分
- 歯周病
- 全身的な要因:
- 口呼吸
- 免疫力の低下
- 特定の疾患(糖尿病など)
- 遺伝的な要因:
- 歯のエナメル質が薄い
- 口腔内の細菌叢のバランスが崩れやすい
症状
- 複数の歯に虫歯ができる
- 歯の痛み
- 歯の変色
- 口臭
- 歯がぐらつく
予防と治療
- 食生活の改善:
- 糖分を控える
- 食後の歯磨きを徹底する
- 間食を控える
- 口腔衛生の徹底:
- 正しい歯磨き方法を身につける
- 定期的な歯科検診
- フッ素の活用:
- フッ素入り歯磨き粉の使用
- フッ素塗布
- 治療:
- 虫歯の進行具合に応じて、治療法が異なります。
- 軽度の場合は、虫歯部分を削って詰め物をする治療が行われます。
- 重度の場合には、歯の根の治療や、歯を抜いて入れ歯やインプラントにする治療が必要になることがあります。
子供のランパントカリエスを防ぐために
- 離乳食から歯磨きを始める: 歯が生え始めたら、歯ブラシで優しく磨いてあげましょう。
- 甘いものを与えすぎない: お菓子やジュースは、与える頻度や量を控えましょう。
- 食後の歯磨きを習慣化する: 食後は必ず歯磨きをして、口の中に食べカスを残さないようにしましょう。
- 定期的な歯科検診: 子供の歯の生え変わり時期や、歯並びに異常がないかなどを定期的に歯科医に診てもらいましょう。
まとめ
ランパントカリエスは、早期発見と治療が大切です。
お子さんの歯がいつもべたついている、歯の色がおかしい、などの症状が見られた場合は、早めに歯科医にご相談ください。