8020運動とは?
8020運動とは「80歳になっても自分の歯を20本以上保とう」という目標を掲げた、日本における歯科保健に関する国民運動です。
【8020運動の目的】
・高齢になっても自分の歯で食事を楽しめるようにする:
20本の歯があれば、ほとんどの食べ物を噛み砕くことができ、食事の楽しみを長く続けられます。
・全身の健康維持:
口腔内の健康は、全身の健康とも深く関わっています。
歯を失うことで、栄養不足や消化不良、さらには全身疾患のリスクが高まる可能性があります。
・医療費の削減:
歯を失うことで、入れ歯の作成や治療費など、医療費がかかる可能性が高まります。
8020運動の実現は、国民全体の医療費削減にも貢献します。
【8020運動が生まれた背景】
・高齢化社会の到来:
日本の高齢化が進み、高齢者の口腔内の健康問題が社会問題として注目されるようになりました。
・歯の寿命の延伸:
歯科医療の発展により歯の寿命が延びる一方で、歯周病や虫歯などによる歯の喪失も依然として問題となっていました。
【8020運動の取り組み】
・啓発活動:
国や自治体、歯科医師会などが8020運動の重要性について広く国民に啓発活動を行っています。
・歯科保健指導:
歯科医院での定期的な検診や、歯磨き指導など、個々の口腔ケアの指導が行われています。
・フッ素の活用:
歯の再石灰化を促し、虫歯予防に効果的なフッ素の活用が推進されています。
・高齢者歯科医療の充実:
高齢者向けの歯科医療サービスの充実が図られています。
【8020運動の現状と課題】
近年80歳で20本以上の歯を持つ高齢者は増加傾向にありますが、依然として達成できていない人も多くいます。
主な課題としては歯周病や虫歯に対する意識の低さ、定期的な歯科検診を受けていない人や、適切な口腔ケアを行っていない人が多いことが挙げられます。
高齢者の中には、手先の器用さや口腔内の乾燥など口腔ケアが難しい人もいます。
【8020運動を成功させるために】
・幼少期からの口腔ケアの習慣化:
歯が生え始めたら、早いうちから歯磨きなどの口腔ケアを習慣化することが重要です。
・定期的な歯科検診:
定期的に歯科医院を受診し、歯周病や虫歯の早期発見・早期治療に努めましょう。
・バランスの取れた食事:
カルシウムやビタミンDを豊富に含む食品を摂取し、歯の健康を維持しましょう。
・口腔ケア製品の適切な使用:
歯ブラシ、歯磨き粉、デンタルフロスなどを適切に使用しましょう。
8020運動は、単に歯を長く残すだけでなく、健康で豊かな生活を送るための第一歩です。