歯磨きの肺炎予防効果はあるのか?
特に高齢者の死亡原因として、がんや心臓病などに次いで多いのが「肺炎」です。
肺炎は口の中の衛生状態と関連が深いと考えられています。
なぜなら、唾液の分泌が低下すると口の中の免疫状態も低下します。
そして歯周病などの原因菌が増えていきます。
その菌を誤嚥してしまうと肺炎につながります。この肺炎を「誤嚥性肺炎」と呼んでいます。
米国医師会関連の内科の医学誌に、歯磨きと肺炎予防効果の関係を検証した論文が掲載されていました。
入院中の患者を対象としたデータです。
毎日歯磨きを行った場合と行わなかった場合との比較です。
毎日歯磨きを行った場合、院内肺炎のリスクが約3分の1に低下し、集中治療室における死亡のリスクも約2割低下していたのです。
この予防効果は、特に人工呼吸器を装着しているような、重症の患者で強く認められました。
このことから、お口の中の菌が肺炎の引き金になる可能性は十分にあると考えられます。
そして、歯磨きを毎日行うだけで肺炎のリスクを減らすことが出来ます。